「現金払いと、カード払い等との負担感を比較（NHK）」で示した通り、
カード払いなどの非現金払いには、目には見えない購入者の心理的な負担を取り除く効果があります。
今回は、非現金支払いによって、価格の決定力が高まったケースについてご紹介します。

マサチューセッツ工科大学の研究チームが、
ＥＴＣを使っている運転手と、現金でお金を払っている運転手とに「道路料金がいくらか？」
を聞くという調査を実施しました。

結果はＥＴＣを使用している運転手は、
現金払いの運転手さんよりも道路料金を知らない比率が高い。
また、ＥＴＣが無かったときに比べると、実は道路料金というのは２０％〜４０％高くなっており、

大きな反対が起こらなかったことからも、
料金を支払う人の負担感を取り除くことで、
がわからないうちに値上げに成功していたということも明らかになりました。

非現金支払いにしたことで、サービス提供側の価格の決定権が高まったともいえ、
支払われる対価よりも、得られる効果（速度を出せる、速く目的地に到着、渋滞のイライラから開放など）
に意識が向けられがちであることがわかります。

現金以外での支払いは、金額への関心が薄れ、得られる効果に意識が向くため、
欲しかったり良いと思うとつい使いすぎてしまうということと、
価格の決定力を高めることに成功したケースです。